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第13回地盤改良工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社Cleyera Fukuoka、更新担当の中西です。

 

 

 

地盤改良工事の環境について

~安全性だけでなく、地球にもやさしい工事を目指して~

地盤改良工事とは、建物を安全に支えるために、地面そのものを補強・安定化する工事のことです。

軟弱地盤では、住宅・ビル・道路・橋梁などあらゆる構造物において不同沈下のリスクがあり、改良工事が欠かせません。

しかし、地盤改良工事には「大量の資材」「重機の騒音」「地中への影響」など、さまざまな環境課題も伴います。今回はその実情と、現場での取り組みをご紹介します。


✅ 地中に介入する工事ならではの環境リスク

 

地盤改良には以下の3つの代表的な工法があります:

  1. 表層改良工法(表面から数mを固める)

  2. 柱状改良工法(地中にセメントの柱を打ち込む)

  3. 鋼管杭・薬液注入工法(支持層まで杭・薬液を打設)

これらはいずれも地中に介入するため、次のような環境リスクが伴います。

リスク 内容
地下水汚染 セメント系材料や薬液が混入すると、pHや重金属が影響を与える
振動・騒音 重機による施工中、近隣住民への影響が大きい
土壌の改変 生態系や樹木の根系にダメージを与えることも
粉じん・排ガス セメント散布や重機稼働による飛散・CO₂排出

特に住宅地や河川・水田近くでの施工では、周辺環境との調和が重要な課題となります。


✅ 環境にやさしい資材の選定と技術

 

地盤改良で主に使用されるのは、セメント系固化材です。これらは、石灰や高炉スラグなどを配合したものが主流で、強度が高い一方、CO₂排出が大きいという課題もあります。

そこで近年では以下のような環境配慮型資材・技術が広がりつつあります。

  • 低炭素型固化材(セメント使用量を抑えた特殊材料)

  • 天然素材系改良材(ベントナイトや天然繊維を利用)

  • リサイクル土・混合再生土の活用

  • 非開削工法による掘削量削減

これにより、地中環境にやさしく・資源を無駄にしない工事が実現できるようになってきました。


✅ 周辺住民への配慮と地域との共存

 

施工環境の整備も、環境問題の一部です。

  • 施工時間の調整(朝9時以降~夕方5時まで)

  • 防音パネルの設置

  • 現場への仮囲いや洗車マット設置

  • 振動センサーによるモニタリング

また、事前の近隣説明会や、施工後のアンケート調査を実施して、地域の声を工事に反映する企業も増えています。

外から見えない「地盤」だからこそ、見えない部分への信頼構築と誠実な施工が問われているのです。


✅ 工事後の自然再生と地盤の循環利用

 

地盤改良は一度やったら終わりではありません。将来その土地が再利用された際に、環境影響が残らないことも求められます。

そのための取り組み例として:

  • 改良土の長期モニタリング

  • 植物の再生や緑化工事との連携

  • 建設残土の管理・再資源化

今や地盤改良は、「地面の強化」だけでなく「自然と人間の共生」を意識した工種へと変化しています。


▶ まとめ:地盤改良は“環境インフラ整備”の第一歩

 

地盤改良工事は、地上に建つ構造物すべての基盤であり、同時に地域と自然の基盤整備でもあります。

見えない部分に対する信頼と責任。
人と自然の調和を意識した施工。
それが、これからの“環境型地盤改良工事”に求められる姿です。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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