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皆さんこんにちは!
株式会社Cleyera Fukuoka、更新担当の中西です。
さて今回は
~設計~
ということで、地盤改良工事の設計において何を考慮すべきか、どのように最適な設計を導くのかを、構造・地質・法規制・保証の視点から深く掘り下げて解説していきます!
地盤改良工事の目的はただ一つ
「建物を安全・安定的に支えること」。
しかし、建物を支える地盤は目に見えず、条件も場所によって大きく異なります。だからこそ、設計段階の判断と技術的根拠が、施工品質と長期的な安全性を左右するのです。
地盤改良工事の設計とは、「不適切な地盤を補強・安定化するための構造的かつ合理的な設計」を行うことです。
不同沈下を防ぐ
必要な支持力を確保する
安全性・施工性・経済性のバランスをとる
以下のステップで設計が進みます
N値、地層構成、土質(粘性土・砂質土・腐植土など)
地下水位とその変動リスク
支持層(≧N20〜50)の位置と厚み
土壌汚染・埋設物の有無
建物の構造(木造・S造・RC造など)
総重量、基礎形式、荷重分布
荷重条件(偏心・集中荷重など)
地盤と構造条件から、以下の工法を検討します
工法 | 適用条件 |
---|---|
表層改良工法 | 支持層が浅く、建物荷重が小さい場合(住宅など) |
柱状改良工法 | 支持層が3〜8mにあり、軽〜中規模建物に適用 |
鋼管杭工法 | 支持層が深い、または厳密な沈下抑制が必要な場合 |
杭径、杭長、改良体の中心間隔
杭先端の支持層到達確認(支持層厚≧杭径の1/2など)
杭の本数と分布(基礎配置と一致させる)
材料の種類と混合量(固化材・水の比率)
設計支持力度(qd)の設定は、N値や土質ごとに規定(地盤工学会基準など)
地耐力の検討には、安全率(1.5〜2.0)を加味
不同沈下の防止には、周囲地盤との剛性差や沈下差を計算
杭間距離は杭径の2〜3倍以内(ばらつきを抑える)
ベタ基礎との接合性(全面的な支持体か、点支持か)
改良体同士が干渉しすぎると施工不良のリスクあり
地下水位が改良深度にある場合、固化不良の可能性
地盤の吸水性により、水セメント比の調整が必要
湿潤時の土質強度低下に注意(特に腐植土)
狭小地、隣接建物、法面などで施工制限がある場合
騒音・振動対策として、低騒音機・鋼管圧入工法が選ばれることも
セメント系固化材の飛散・粉塵対策(特に市街地)
現在、多くの住宅や中小建築物では、地盤保証制度が導入されています。
これにより、以下のような設計基準・条件が求められるケースがあります:
保証会社が指定する改良深度・固化材量・支持層条件の遵守
柱状改良体の地耐力が50kN/本以上などの基準
材料メーカー指定の混合比や養生条件の設定
事前審査や改良計画書の提出
👉Point: 保証制度に対応する場合は、設計段階で保証条件を必ず確認し、施工可能な範囲に収める必要があります。
N値:0〜3(深度3.5mまで)
地下水位:2.2m
腐植土なし
改良工法:柱状改良工法
杭径:600mm
杭長:4.0m(支持層N≧20)
杭芯間隔:1.2m〜1.8m
改良本数:56本
固化材:セメント系固化材、混合比率200kg/m³
チェックポイント
改良体が支持層に到達しているか
全体で建物荷重に対する安全率が確保されているか
地盤保証基準(荷重・沈下量・施工記録)を満たしているか
種類 | 内容 |
---|---|
地盤工学会「地盤改良設計・施工指針」 | 柱状改良、表層改良、深層混合処理の設計基準 |
建築基準法・施行令 | 杭基礎・地盤に関する法的根拠 |
保証会社マニュアル(ジャパンホームシールドなど) | 保証対応基準・改良深度・混合比等 |
地質調査報告書 | 断面図、試験結果、地下水情報など |
建物は「地盤の上」に成り立ちます。そしてその地盤が不安定であるならば、
どれほど頑丈な建物も、その性能を発揮できません。
だからこそ、地盤改良の「設計」は、単なる数値の計算ではなく、地質・構造・法規・施工を総合的に理解した“現場密着型の判断力”が求められる分野です。
プロフェッショナルとして、安全で無駄のない改良設計を提供することが、施主の信頼・品質保証・工事の成功につながります。
株式会社Cleyera Fukuokaでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
皆さんこんにちは!
株式会社Cleyera Fukuoka、更新担当の中西です。
さて今回は
~確認事項~
ということで、地盤改良工事を実施するにあたり、プロが必ず行うべき事前確認事項を、実務レベルで深く掘り下げてご紹介します!
建物や構造物の安全性を根本から支える「地盤」。
その地盤が軟弱だった場合に必要となるのが「地盤改良工事」です。
しかし、地盤改良は目に見えない地中を対象に行う工事であるがゆえに、トラブルや設計ミスが起こりやすい分野でもあります。
そのため、施工前の「事前確認」は非常に重要で、品質・安全・法令遵守すべての基本になります。
地盤改良工事とは、建築物などの荷重に耐えられない軟弱地盤に対し、地中に人工的な補強や固化処理を行う工事です。主に以下のような方法があります:
表層改良工法:浅層(2〜3m)までの地盤をセメント系固化材で撹拌・固化
柱状改良工法:ドリルで掘削し、柱状の改良体を地中に造成(3〜8m程度)
鋼管杭工法:鋼管を圧入・打設して支持層まで直接届かせる(深度10m超も)
これらの工法は、地盤の性質や設計条件に応じて選定されますが、適切な計画と事前確認がなければ、沈下・不同沈下・施工不良のリスクを伴います。
地盤改良は「地中」に対して行うため、施工してからでは手直しが困難です。
だからこそ、事前に「設計条件・地質条件・施工環境・周辺影響」などを徹底的にチェックする必要があります。
トラブル防止だけでなく、コスト削減・工程短縮・法的トラブル回避にもつながるため、確認作業は地盤改良の品質そのものと言っても過言ではありません。
まず最も重要なのが、地盤調査データ(ボーリング調査、SWS試験など)の確認です。
地層構成(土質:粘性土、砂質土、腐植土など)
支持層の深度と厚さ(N値≧50が目安)
地下水位の有無と変動の可能性
有機質土や盛土の存在(固化不良リスク)
👉 Point: 柱状改良では支持層にしっかり到達することが必須。支持層の“ばらつき”や“ムラ”にも注意が必要です。
地盤だけでなく、どのような構造物を建てるのかを把握しておくことも不可欠です。
建物の構造(木造、鉄骨、RCなど)
基礎形式(ベタ基礎、布基礎、独立基礎など)
建物の荷重(長期・短期・偏心荷重)
杭心配置図、基礎図との整合性確認
👉 Point: 軽量建築で過剰な地盤改良を行うとコストオーバーになる。建物に適した改良設計の選定が鍵。
施工現場の地上環境も事前確認が必要です。
敷地の高低差や法面の有無
隣接建物や擁壁への影響(振動・騒音・地盤変位など)
重機の搬入・施工スペースの確保
埋設物・地下構造物(浄化槽、古井戸、管路など)の存在
👉 Point: 地盤改良では大型機械を使うことも多く、施工スペースの事前測量・下見が必須です。
行政・法規制の確認も忘れてはいけません。
建築確認申請の有無・申請前の改良工事の可否
土壌汚染の履歴(工場跡地、埋立地など)
景観条例・埋蔵文化財包蔵地の確認
地盤保証会社の設計指針・施工要件との整合性
👉 Point: 改良後に「地盤保証がつかない」ケースもあるため、保証会社との事前協議が非常に重要です。
現場でよくあるトラブルが、「設計と実際の施工が合っていない」というケースです。
柱状改良の場合:杭径・杭長・杭芯間隔
表層改良の場合:改良厚、改良範囲
改良材の種類(セメント系固化材など)と必要量
重機の選定と施工能力(届かない深さがないか)
👉 Point: 事前に「改良計画図」や「杭配置図」を現場用にわかりやすく作成しておくと、施工ミスを防げます。
項目 | 内容 |
---|---|
試験施工 | 材料や土質の確認、施工方法の習熟用に実施 |
改良体引き抜き試験 | 実際の支持力確認により、品質保証性が上がる |
地盤保証会社との事前審査 | 保証を受けるための改良条件確認 |
地盤改良工事における事前確認は、見えないリスクをあらかじめ潰していくプロセスです。
逆に言えば、施工前の確認を怠ると、施工不良・保証対象外・沈下事故など、大きな損害や信用失墜につながりかねません。
プロフェッショナルな地盤改良業者は、「施工前にどれだけリスクを洗い出し、対策できているか」で差が出ます。
📋 最後に:地盤改良工事 事前確認チェックリスト
項目 | 内容 |
---|---|
地盤調査 | N値、支持層深度、地下水、有機質土の有無 |
建物情報 | 荷重、基礎形式、杭配置図の有無 |
現場環境 | 高低差、隣接建物、重機の搬入経路 |
法規制 | 地歴、保証、文化財、確認申請との整合 |
設計図面 | 改良範囲、杭長・径、改良材の量 |
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