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皆さんこんにちは!
株式会社Cleyera Fukuoka、更新担当の中西です。
前回は地盤改良工事の歴史についてお話しました。
今回はその続編として、**現代の現場で守られている「地盤改良の鉄則」**について、実務経験をふまえた視点で一般的な市場での動向を基にお伝えします。
地盤改良の最初にして最大のポイントは、**「正確な地盤調査」**です。調査が甘ければ、改良設計も施工もすべてが誤った方向に進んでしまいます。
スウェーデン式サウンディング試験(住宅地)
ボーリング調査(中高層建物)
表面波探査や動的貫入試験(補完調査)
など、用途や地盤の特性に応じた方法を適切に選び、土質・N値・地下水位などのデータを正確に把握することが、すべての出発点です。
地盤改良にはさまざまな工法がありますが、「これさえやっておけば安心」という万能な方法は存在しません。地盤の種類、改良深さ、建物の規模、近隣状況などをふまえて、“その土地に合った最も合理的な工法”を選ぶ必要があります。
たとえば:
軟弱層が浅い→表層改良
中間層まで軟弱→柱状改良
地下水位が高い→湿式柱状改良より乾式が有利
地盤が強固→改良せず基礎の工夫で対応も
この「判断力」が地盤改良業者の技術力の真価とも言えるでしょう。
柱状改良や深層混合処理工法では、主にセメント系固化材が使われますが、この選定と管理が非常に重要です。
適切な水分比率で混合しないと固化不良が起きる
地中のpHや有機物含有量が固化材の性能に影響
改良後のコア抜き検査で強度不足が発覚するケースも
つまり、「混ぜたら終わり」ではなく、施工後まで含めた品質管理が必要です。信頼できるメーカーの材料を選ぶことも重要です。
地盤改良は地中で行う作業が多いため、「目に見えない=気付かれにくい」工事とも言えます。しかし実際には、
振動・騒音(打設機、混合機)
地盤からの湧水や掘削残土
粉じんやトラック搬入出による道路汚れ
など、地域住民への影響は意外と大きいものです。事前説明、作業時間の配慮、防塵・防音対策などを徹底することで、信頼される施工業者としての評価が高まります。
地盤改良は完成後に直接目で確認できないため、記録とデータ管理が極めて重要です。
測定データ(深度・強度・混合量)
材料ロット管理
工事写真の時系列記録
これらをきちんと整備し、引き渡し時に提出することで、後々のトラブルを防ぐだけでなく、施主に安心を提供することができます。
地盤改良は、「建物を建てるための準備」ではなく、「安心して暮らすための最初の一歩」。その工事には、高度な知識、経験、そして“信頼をつくる意識”が必要不可欠です。
今後ますます「災害に強いまちづくり」や「地盤安全対策」が重視されるなかで、地盤改良の役割と責任も、より大きくなっていくことでしょう。
次回もお楽しみに!
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