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日別アーカイブ: 2025年8月21日

第17回地盤改良工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社Cleyera Fukuoka、更新担当の中西です。

 

~調査→工法選定→品質管理~

 

「地盤改良って必要?どの工法が良いの?」——家づくり・建物新築・増改築の相談で、必ず出てくるテーマです。
本記事では地盤調査→判定→工法選定→施工→品質確認→引き渡しまで、初めての方にも分かるように要点をまとめました。


1|地盤改良が必要かどうかの見極め

  • 地盤調査(戸建て:スウェーデン式サウンディング〈SWS〉、建物規模により**標準貫入試験〈N値〉**やボーリング)

  • 土質:粘性土/砂質土/盛土/埋立て/軟弱層の厚さ

  • 地下水位液状化の可能性

  • 建物荷重と基礎形式(ベタ基礎/布基礎/独立基礎/杭基礎)

調査結果をもとに、**地耐力(許容支持力度)**が基礎設計に足りるかを判定します。


2|代表的な地盤改良工法の早見表

目的/条件 主な工法 特徴・向き不向き
軟弱層が浅い(〜2m程度) 表層改良 土と固化材を混合・転圧で地耐力UP。庭・外構含め面で改良。雨天時の養生が鍵。
3〜8m程度に軟弱層 柱状改良(深層混合処理) 地中に土柱(ソイルセメント)を造成し支持層で受ける。狭小地でも対応しやすい。
残土・セメントを抑えたい 砕石パイル(砕石改良) 透水・地震時の排水性◎。環境配慮。地中障害・地下水位に留意。
軟弱層が厚い/確実な支持が必要 小口径鋼管杭 品質安定・即時強度。搬入・騒音振動に配慮。
砂質地盤の密度UP サンドコンパクション/バイブロフローテーション 液状化対策や埋立地に有効。中〜大規模向け。
圧密沈下の低減 プレロード/サンドドレーン 事前荷重で沈下を先取り。工期に余裕が必要。

※地域の条例・近隣状況・地下埋設物により選定は変わります。必ず専門者の検討を。


3|“工法選定”のチェックポイント ✅

  • 建物条件:階数・構造(木造/RC/S)・基礎形式・重量

  • 敷地条件:狭小地/高さ制限/搬入路/近隣家屋の距離

  • 地中条件軟弱層の厚さ地下水位地中障害(礫・既存杭)

  • 環境配慮騒音/振動/粉じん/濁水/残土量

  • コスト・工期:材料費・機械稼働・養生日数

迷ったら2案比較(例:柱状改良 vs 砕石パイル)で総コスト+環境負荷+将来の撤去性まで見える化。


4|施工の流れ(柱状改良の例)️

  1. 改良位置の墨出し→重機セット

  2. スラリー(固化材+水)管理:比重・温度・流量を測定

  3. 掘進・攪拌注入:規定回転数・引上げ速度で均一化

  4. 出来形確認径・長さ・芯ズレの管理

  5. 養生:覆土・雨養生、所定材齢で一軸圧縮強度確認

  6. 基礎天端の整地→引き渡し

※砕石パイルは**砕石投入→締固め(タンピング)**の繰り返しで造成。濁水や沈下養生は別途管理。


5|品質管理の“ツボ”

  • スラリー:比重・フロー値・温度をロットごと記録

  • 施工ログ:トルク・回転数・引上げ速度・注入量の自記記録

  • 出来形:改良体の径・長さ(基準との偏差)

  • 強度確認:**一軸圧縮強度(材齢7日/28日等)**のコア/供試体試験

  • 写真台帳墨出し→施工→出来形→養生→片付けを同一角度で

雨天時含水の増加で品質ばらつきやすい → 材料保管と土砂養生を強化。


6|近隣・安全への配慮

  • 事前挨拶・工程掲示(作業時間/騒音振動/車両出入り)

  • 家屋調査(着工前後)でトラブル予防

  • 仮設動線の分離(人・車・資材)

  • 濁水・泥水の適正処理、道路清掃の徹底

  • 火気・粉じん・転倒/挟まれリスクの指差し確認


7|費用感と工期の考え方 ⏱️

  • 目安は改良深さ・本数・工法で大きく変動。

  • 搬入路や狭さ残土量濁水処理養生日数が費用と工程のカギ。

  • 設計早期の地盤調査2案比較追加費用のリスクを抑制。


8|よくある質問(Q&A)

Q. 解体後の地中障害が心配。
A. 掘進時の反力・トルクで検知、必要に応じ障害撤去または位置変更を提案します。
Q. 地震に強くなる?
A. 沈下・不同沈下の抑制が主目的。液状化対策は地盤条件と工法で別途検討が必要です。
Q. 施工後、引っ越しはいつ?
A. 工法により養生期間が必要。基礎配筋・コンクリート打設の工程と合わせてご案内します。


9|発注前チェックリスト✅

[ ] 調査方法・結果と地耐力
[ ] 工法比較(コスト・工期・環境)
[ ] 地下水位・地中障害の扱い
[ ] 品質管理(ログ・強度・出来形)
[ ] 近隣対策(家屋調査・掲示)
[ ] 成績書・写真台帳の納品範囲


まとめ ✨

地盤改良は**「調査の精度」×「工法選定」×「品質管理」**の三位一体。
見える化(ログ・写真・成績書)を徹底し、安心・安全な基礎づくりを進めましょう。️

 

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